05.01
顔パス? 脳パス??O2Oの未来に必要なセキュリティを考える
顔パス? 脳パス??O2Oの未来に必要なセキュリティを考える
こんにちは。O2O販促ラボ・佐藤です。
近い未来、インターネットと通信をするモノとモノが繋がるIoT(Internet of Things)で、暮らしがぐっと便利になる社会が訪れると言われています。
より多くの情報が通信され、その人の嗜好や趣味が把握され、オンラインでもオフラインでも飛躍的に買い物しやすい環境が整えられることでしょう。
その中で付加価値が高まるものは「安心して買い物ができる環境」だと思います。
大事な情報が漏れない環境。漏れたとしても被害を受けない環境を提供できることが、今後のお店、O2Oサービスに求められる付加価値だと考えます。
生体認証によるセキュリティの今
最近では、生体認証(バイオメトリクス)が世の中に浸透しつつあります。
生体認証とは、人体の特徴や動作の癖を利用し本人識別をする技術です。パスワード忘れや、盗難による悪用などのリスクを低減できるメリットがあります。
生体認証の主な種類には「指紋」、「静脈」、「顔」、「虹彩(こうさい)」、「網膜」、「音声」などの種類があります。
・指紋
おなじみの指にある模様です。隆線(りゅうせん)と呼ばれているもので構成されている模様を利用します。
・静脈
手のひらや指の静脈の血管パターンを利用します。
・顔
口、目、鼻など、顔を構成するパーツの位置や顔自体の輪郭線などを利用します。
・虹彩
人の目の模様を利用します。瞳孔(黒い穴の部分)の周りにある色のついた環状の部位です。
・網膜
目の奥にある血管のパターンを利用するものです。
・音声
人が発する声の周波数を利用するものです。
この中の認証で最近より身近になりつつあるのが「虹彩」認証です。富士通ではスマホに対して2015年度中の製品化を進めています。
引用 : 虹彩認証 プロモーションムービー
また発売予定の「Windows 10」では「Windows Hello」と呼ばれる生体認証機能で「顔」、「虹彩」、「指紋」を認証として使用できるそうです。
引用 : Making Windows 10 More Personal With Windows Hello
決済系の仕組みでもMasterCardがスマホやウェアラブルデバイスを利用した仕組み「Authentication」を披露しています。こちらは「顔」、「指紋」、「心臓の鼓動」を利用しているそうです。
ほかにも「体紋」と呼ばれる「より大きく、認識しやすい体のパーツ」を利用した認証の研究も進んでいるそうです。
これら最近の動向をふまえると、今後、買い物をする際は、生体認証がより身近な社会になると考えられます。自分の身一つで決済ができてしまう環境が当たり前になるかもしれません。
自宅のPCやスマホアプリで「虹彩」など複数の生体認証登録を実施し、実店舗で自分を認証キーとしてお財布レスで買い物~。というO2Oサービス環境です。
ただ、生体認証とはいえ、メリットばかりでもありません。
一度、生体認証情報を何らかの形で奪われた場合、本人自身の身体的特徴なので、変更することが困難になります。また、病気や怪我で身体に変化があった場合、認証されないというリスクもあります。
これらのことをふまえ、仮に生体認証情報を誰かに奪われてしまっても悪用されないように認証を複数組み合わせることでセキュリティ強度を高めたり、認証キーとなる身体が変化してしまった場合でも再登録できたりする仕組みを用意するなどして対応しています。
日々進化、発展しているんですね。
10年後は「思考」がキーになる!!?
世界最大の技術専門家の組織「IEEE(アイ・トリプル・イー) 」の調査によると、2025年には日常生活で利用されるデバイスを制御するテクノロジーの第1番目として「人間の思考」になるだろうという話です。
IoTのネットワークを行き来する個人や企業の情報を保護するために、万全なセキュリティ環境として脳波でテクノロジーを制御する時代がやってくるかもしれません。
これに伴って東大が開発した生体情報センサーや肌に貼る電子皮膚「BioStamp」のような、脳波を読み取るための、より身体に近いデバイスも開発されていくことでしょう。
引用元 : http://www.mc10inc.com/
今後は、常に変化に対応し「安心して買い物ができる環境」を提供できるお店やO2Oサービスが求められていくと思います。
買い物しようと街まで出かけて、お財布を忘れても、安心して欲しいものを買えたり、美味しい料理を食べられて愉快な気持ちでいられる、そんな社会になっているといいですね~。
*参考文献
「生体認証導入・運用の手引き」独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンター
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